
以下「旅をする木」星野道夫より抜粋
若い時代にはアラスカへ行くな。
人生の最後に出かけなさい
ジムはまず塩漬けのサバをひとたる買い
捨てないでもらった新聞を取りに行くんだ
そして島に帰ってから、毎朝
ちょうど一年前の新聞を読んでいた
ただの一度も続けて読んでしまうことはしなかったらしい
心の筋肉というものがあるならば
お前はどこで生きてゆこうとしているのか
万象の動きをじっと見つめているような
優しい目線が好きだった
寒いことが
人の気持ちを暖めるんだ
離れていることが
人と人とを近づけるんだ
町にいれば
自分自身の中にある孤独を
避け続けることができる
孤独を苦しみ抜いてしか得られない
不思議な心の安らぎがあった
星空や泣けてくるような夕陽を
一人でみていたとするだろ。
もし愛する人がいたら
その美しさやその時の気持ちをどんなふうに伝えるかって?
その人はこう言ったんだ。
自分が変わってゆくことだって
その夕陽を見て
感動して
自分が変わってゆくことだと思うって
何回も読んでいる本
読み返したくなる本はいくつかあるが
この本が1番読んでいるかもしれない
星野道夫さん(詳細)
写真家

アラスカに魅せられ、アラスカに生きた人
私が生まれた年にヒグマの事故により亡くなった
この人の言葉は優しく温かい
「アラスカに行こうかな」と短絡的に思ってしまう
来年あたりに行こうかな
アラスカに住みたくなるかもしれない
一度お会いしてみたかった
いい顔しているんだろうな
そんな何度も読み返したくなる本の話
